
日本の技術者たちよ、 誇りを取り戻せ!
私がまだ外交官であり、同時に執筆業を始めたばかりの頃のことだ。企画案を持ち込み、「日本はこれだけの力があるのだ」という本を書きたいと繰り返す私のことをたしなめるように、馴染みの老練な編集氏が言った言葉が忘れられない。――「原田さん、こういうタイトルの本は売れないのですよ。そうではなくて『日本惨敗』とか『日本大敗北』とかそういうのじゃないとダメなんです。」 私は正直、大いなる違和感を禁じ得なかった。もちろん編集氏に悪気があったわけでは毛頭ない。率直にいってマーケティングという観点からこれまでの経験に基づき、忠告してくれたのだろう。しかしそれは「売る側」に立った出版社の議論だ。「書く側」である執筆 […]